研究課題
本研究の目的は、これまで測定されたことがない原子核の電気双極子モーメント(EDM)測定を目指して、蓄積リングにおいて不安定核8LiのEDM測定実験の実現可能性の検討を行うことである。蓄積リングはホームグラウンドということもあり筑波大学応用加速器部門の6MVタンデム加速器(UTTAC-6MV)に設置することを考えている。平成26年度は、実験装置を整備した後、UTTAC-6MVにおいて8Li3+ビームの生成、核偏極量の測定などを行う予定であった。平成26年度は、核偏極量測定のために、β線の非対称放出を利用した核磁気共鳴装置の整備を行った。しかしながら、結局、平成26年度中はUTTAC-6MVの運転はなかったので、UTTAC-6MVにおいては、8Li3+ビームの生成、核偏極量の測定などの実験を行うことはできなかった。大阪大学核物理研究センター(RCNP)には偏極イオン源があり、UTTAC-6MVで想定しているような核偏極移行反応が可能である。平成26年度は、RCNPで予備的な実験を行うとともに、EDM研究の情報収集のために国際会議に出席した。
3: やや遅れている
「研究実績の概要」で記述したように、いまだ筑波大学応用加速器部門の6MVタンデム加速器の運転ができないためである。
筑波大学応用加速器部門の6MVタンデム加速器(UTTAC-6MV)の運転開始にはさらに1年程度かかる予定である。このままでは、期間内に研究計画が達成できないので、大阪大学核物理研究センター(RCNP)での実験を考えている。RCNPには偏極イオン源があるので、UTTAC-6MVで想定しているような核偏極移行反応が可能であり、少なくとも8Liの核偏極量の測定は可能であると考えている。さらに、平成26年度はほとんど検討できなかった蓄積リングについても検討を進める。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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