THz域でのSTM発光分光法にピコ秒の時間分解能を与えるために本研究を実施した。以前の可視域での研究から、ピコ秒パルス光をSTMの試料-探針ギャップに照射することによりピコ秒の時間分解能がSTM発光分光に付与できることがわかっている。STM中の電子トンネルによりTHz発光も励起されるので、照射されたギャップからのTHz光が観測されるかどうかの確認がなすべきことである。STM発光自身と検出器の両方の感度が可視域に比べTHz域では低いので、この確認は容易ではない。THz STM発光の効率改善のための理論計算を行い、その知見に基づき実験を行い、求めているTHz STM発光の観測に成功した。
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