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2016 年度 実績報告書

ナノシートを用いたメタマテリアル構造の構築によるTHz波強度変調デバイス

研究課題

研究課題/領域番号 26610084
研究機関信州大学

研究代表者

杉本 渉  信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (20313843)

研究分担者 宮丸 文章  信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (20419005)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードナノシート / メタマテリアル / テラヘルツ
研究実績の概要

本研究は,テラヘルツ領域においてナノシートの電磁応答特性を調べ,その応答特性を新規のテラヘルツ光学デバイスに応用することを目的としている。昨年度までに層状K0.2RuO2.1*nH2Oから誘導した酸化ルテニウム(K-RuO2)ナノシートを1~10層積層させた薄膜のテラヘルツ領域におけるインピーダンスを測定し,テラヘルツ領域において比較的高い導電率を示すことを見出した。
本年度は,比較的導電率が高いK-RuO2ナノシートに注目し,その電気伝導特性を詳細に調べるため,温度依存性の測定を行った。そのために,試料の温度を変化させることができる装置を構築し,それをテラヘルツ時間領域分光装置に導入することによりナノシートの温度変化によるインピーダンスの変化を測定した。その結果,温度変化に対してK-RuO2ナノシートのインピーダンスはあまり変化しない様子が観測された。通常の金属では低温になるに従ってフォノン散乱が減少し,電気抵抗が下がるのが一般的であるが,今回の結果はその傾向と異なる。そのような温度特性を示す原因は,今後解明する必要がある。
さらに本年度は,K-RuO2 の吸収率の評価を行った。K-RuO2ナノシートの透過及び反射特性を測定し,それらの結果から吸収率を見積もった結果,基板の両面にK-RuO2(10層)ナノシートを成膜した試料において,入射テラヘルツ波に対して30%程度のパワーが吸収されていることがわかった。テラヘルツ波の波長は300ミクロン(1THzにおいて)であるのに対して,両面のK-RuO2ナノシートをあわせた厚みは20nm程度である。このように波長に対して非常に薄い領域にテラヘルツ波を吸収させることができる特性は,テラヘルツ領域の薄膜吸収体として応用することができると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] メタマテリアル・メタ表面によるテラヘルツ波の制御2016

    • 著者名/発表者名
      宮丸文章
    • 学会等名
      応用物理学会・量子エレクトロニクス研究会
    • 発表場所
      上智大学軽井沢セミナーハウス(長野県北佐久郡軽井沢町)
    • 年月日
      2016-12-08 – 2016-12-10
  • [学会発表] 二酸化ルテニウムナノシートのテラヘルツ電気伝導特性2016

    • 著者名/発表者名
      武安一成,楠本雅志,宮丸文章,中田陽介,保科宏道,武田三男,杉本渉
    • 学会等名
      テラヘルツ科学の最先端III
    • 発表場所
      三国観光ホテル(福井県坂井市)
    • 年月日
      2016-11-23 – 2016-11-25
  • [学会発表] 二酸化ルテニウムナノシートのテラヘルツ電気伝導特性の温度依存性2016

    • 著者名/発表者名
      楠本雅志,武安一成,宮丸文章,中田陽介,保科宏道,武田三男,杉本渉
    • 学会等名
      テラヘルツ科学の最先端III
    • 発表場所
      三国観光ホテル(福井県坂井市)
    • 年月日
      2016-11-23 – 2016-11-25

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公開日: 2018-01-16  

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