(1)τ型分子性有機導体の第一原理バンド計算を行い、ゼーベック係数を計算した。その結果、実験結果をほぼ定量的に再現する結果を得た。(2)近年、熱電物質として注目を集めるSnSeにおいて、キャリアーとして電子が入った場合には無次元性能指数が3近くなることを示した。(3) バンド形状と熱電特性の関係を一般的に調べた。理想的なプリン型バンド形状においては、大きな電力因子と小さな電子熱伝導度が組み合わさることで、現実的な格子熱伝導度を仮定したときに無次元性能指数が4程度になることを示した。(4)LaOBiS2 系において、元素置換によるバンド形状制御によって、飛躍的な性能向上を見込めることを示した。
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