鏡映対称性を持たない結晶構造における右手系と左手系を区別する物理量「結晶カイラリティ」は、多彩な物質機能の源泉であることが知られている。本プロジェクトでは、結晶カイラリティの外場制御に関する研究を行った。その結果、結晶カイラル秩序が別種の強的秩序と相関する物質においては、その強的秩序ドメインの外場スイッチを介した結晶カイラリティ制御が可能であることを示した。さらに、新規開発したカイラル化合物群の研究において「定量的カイラリティ強度」の概念を導入し、これが、カイラリティの外場制御の実現性さらにはカイラリティ由来物性の理解において重要な概念となり得ることを提唱した。
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