研究課題
本課題では、液体金属の清浄表面を10-8 Pa程度の超高真空下で作製し、超高エネルギー分解能X線非弾性散乱法を用いて、表面特有の原子ダイナミクス、特に励起されるフォノンの物性のバルクとの相違について詳しく探索することを目的としている。平成27年度までに測定用の真空容器を準備し、既存の排気装置を用いて超高真空条件を達成する予定であったが、排気装置の基幹部であるイオンポンプが故障したため実現できなかった。平成28年度はイオンポンプの修理を行って条件の実現を目指したが、再び故障が起きた。既存のポンプの排気容量の不足がその原因であることを突き止めた。その後、別予算で排気量が大きなイオンポンプを購入することができたので、それを用いて真空条件を達成でき、真空計その他の必要器具に動作確認も順調に行うことができた。また、大型放射光施設SPring-8での非弾性X線散乱実験の準備も、分担者をはじめとするビームラインの担当者との打ち合わせ等も終わり、実際の実験についての支障はないと思われる。今後は、既に作成の終わっている超高真空下での昇温システムおよび液体金属表面の清浄化ツールの動作確認を行った上で、実際にガリウムおよびスズなどの低融点金属を対象とした液体金属清浄表面のダイナミクスの実験研究の実現を目指す。特に、液体表面特有な層状構造とフォノン・ダイナミクスとの深い関係に焦点を絞って、研究を推し進める予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Chemical Physics Letters
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