本研究の目的は、量子気体中における回折限界を超えた局所操作法の開発にある。今回、それを実現するための新しい提案と必要となる要素技術の開拓を行った。ここでの鍵は、3準位を利用した不均一光シフトと87Rb原子の特定の超微細構造準位間のマイクロ波遷移を組み合わせる点にあり、特定の1つの基底状態磁気副準位はその局所操作用レーザー光を全く感じない(光シフトをしない)条件を見出すことが不可欠となる。その条件は、局所操作用レーザーを特殊な波長に設定することで実現できると考え、その波長の同定と光シフトが全く起きない条件を見出すことが最も重要となる。本課題では、その条件を見出すことに主眼をおき、研究を行った。
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