• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

磁場を用いた微粒子の空間捕捉-超伝導性の探査-

研究課題

研究課題/領域番号 26610124
研究機関富山大学

研究代表者

森脇 喜紀  富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (90270470)

研究分担者 松島 房和  富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (40142236)
芦田 昌明  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60240818)
熊倉 光孝  福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30324601)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード微粒子 / 超伝導 / 微細線構造 / レーザーアブレーション / ラゲールガウスビーム
研究実績の概要

微粒子・微細線の超伝導性の検出実験
超流動ヘリウム中の低温環境下でサンプル固体表面からレーザーアブレーション法を利用して微粒子を作成する。その微粒子が超伝導状態であれば,四重極磁場で空間捕捉(トラップ)される。捕捉された後,温度を上昇させ微粒子の超伝導性が破れると磁場トラップから解放される。また,レーザーアブレーションを繰り返し行うことにより,微粒子同士が結合した微細線構造物が超流動ヘリウム中に生成される。生成された微細線の電流-電圧特性を測定して,超伝導転移を調べる。このような方法によりNb, In, Re, Alにおいては微粒子や微細線の超伝導転移温度がバルクの値と異なっていることが分かってきた。特にAlについては,2つの方法で異なる結果が得られているため,さらに詳しく調べる必要がある。磁気トラップされた微粒子を電子顕微鏡のサンプルとして取り出すためのステージを備えたトラップ装置を新たに作成した。今後,微粒子サイズと超伝導転移温度の関係について測定を進める予定である。また,超流動ヘリウム中の微粒子にcwレーザーを照射して加熱したところ,加熱された微粒子が興味深い振る舞いをすることが分かった。今後トラップされた微粒子のサイズの制御へと応用させる。
ラゲールガウス(LG)ビームを用いたレーザーアブレーション
LGモードの生成方法について検討し,スパイラル位相プレートにより生成したLGモードのレーザーを用いてアブレーションし,金属表面に微細な突起構造が生成されることを確認した。今後はさらにアブレーションをすすめ微細線構造の生成の条件などを探る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

微粒子の磁気トラップや,微細線の電流電圧特性測定は順調に進めることができており,その中でAlでは新たな課題が見つかってきている。また,トラップされた微粒子をその他のアブレーションで生成された多くの粒子と区別して,そのスケールを測定するための新たな装置の設計・作成ができている。超流動ヘリウム中の微粒子をレーザー加熱することが可能であることが分かった。また,LGビームの作成,それを用いたアブレーションが順調に進んだ。

今後の研究の推進方策

新たに作成したトラップ装置を利用して,超流動ヘリウム中で超伝導転移温度を測定した微粒子を電子顕微鏡で観察する。転移温度のサイズへの依存性を測定する。
LGモードのレーザーを用いたアブレーションにより金属表面に微細な突起構造の生成方法の調整を進め,超流動ヘリウム中のターゲットをLGモードによるレーザーアブレーションすることによる微細線構造を生成する。その超伝導転移温度の測定および電顕などを利用してそのサイズを測定する。
トラップされた微粒子をレーザー加熱し,トラップしたままでそのサイズを小さくする手法を開発する。
様々な物質について,微粒子,および微細線構造を作製し,その超伝導性について調べる。

次年度使用額が生じた理由

LGビームの作成方法にはいくつかの方法があるが,エルミートガウスビームをスパイラル位相板を通過させることによりLGモードが得られる。本研究では532nmのレーザー波長を用いているが,その波長に完全に適合した市販のスパイラル位相板がないため,近い波長のものを借り出して確認した。その他の方法についても検討し,次年度に購入するための資金として次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

本研究で要するパルスレーザー光のLGビームについて,高次モードのレーザーアブレーションの効果やその作成の方法をさらに検討し,本研究での利用での最適な方法を適用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Optical levitation of a microdroplet containing a single quantum dot2015

    • 著者名/発表者名
      Y. Minowa, R. Kawai and M. Ashida,
    • 雑誌名

      Optics Lett.

      巻: 40 ページ: 906-909

    • DOI

      10.1364/OL.40.000906

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Fabrication of single-crystalline microspheres with high sphericity from anisotropic materials2014

    • 著者名/発表者名
      S. Okamoto, K. Inaba, T. Iida, H. Ishihara, S. Ichikawa and M. Ashida
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 4 ページ: 5186

    • DOI

      10.1038/srep05186

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 気体中のナノ粒子に対する  輻射力による運動操作の検討2014

    • 著者名/発表者名
      木南安寿花, 大岡謹吾, 熊倉光孝
    • 学会等名
      2014年度日本物理学会北陸支部  定例学術講演会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2014-12-13 – 2014-12-13
  • [学会発表] Fabrication and Lasing Properties of Single-Crystalline Semiconductor Microspheres with Anisotropic Crystal Structures2014

    • 著者名/発表者名
      M. Ashida, S. Okamoto, S. Ichikawa and Y. Minowa
    • 学会等名
      2014 MRS Fall Meeting and Exhibit
    • 発表場所
      Boston, Massachusetts
    • 年月日
      2014-11-30 – 2014-12-05
  • [学会発表] レーザーアブレーションにより生成した微粒子の超伝導性2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木淳平,ハゲノ下陽哉,米山直弥,榎本勝成,松島房和,熊倉光孝,芦田昌明,森脇喜紀
    • 学会等名
      日本物理学会2014年秋季大会
    • 発表場所
      中部大学春日井キャンパス
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-09
  • [学会発表] 単一量子ドット 液滴系の光トラッピング2014

    • 著者名/発表者名
      川井諒一,蓑輪陽介,芦田昌明
    • 学会等名
      日本物理学会2014年秋季大会
    • 発表場所
      中部大学春日井キャンパス
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-09
  • [学会発表] Optical manipulation of quantum dots in superfluid He2014

    • 著者名/発表者名
      Y. Minowa, H. Tahara and M. Ashida
    • 学会等名
      1st OPTICAL MANIPULATION CONFERENCE
    • 発表場所
      Yokohama, Japan
    • 年月日
      2014-04-22 – 2014-04-25
  • [学会発表] Optical fabrication of single-crystalline microspheres with high sphericity2014

    • 著者名/発表者名
      S. Okamoto, Y. Minowa and M. Ashida
    • 学会等名
      1st OPTICAL MANIPULATION CONFERENCE
    • 発表場所
      Yokohama, Japan
    • 年月日
      2014-04-22 – 2014-04-25

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi