フェリチンは細胞内において遊離Fe2+をFe3+の形で貯蔵する。50ヘルツ磁場が小児白血病リスクを上昇させるという報告から細胞内酸化ストレスが磁場により増強されるという可能性がある。その原因としてフェリチンからのFe2+の磁場による遊離を想定し、検討した。フェリチン水溶液を50ヘルツ/1 キロヘルツ3.2ミリテスラの磁場に2.5/5時間曝露し、Fe2+指示薬フェロジンを用いて曝露試料と非曝露試料のFe2+を測定した。測定曲線をGNUプロットによりフィッティングし、解析した。その結果、50ヘルツ、5時間曝露の場合フェリチンからの鉄イオン解離プロセスが磁場によりわずかに促進されることが分かった。
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