本研究では,流体包有物をゼロ次元の応力源として利用する鉱物の弾性特性測定法の開発に挑んだ. 地球内部を探る手法の中で地震波トモグラフィーは傑出した存在感を示しつつあり,その解釈に必要な鉱物の弾性特性の重要性も増しつつある.しかし,既存の弾性特性には問題がある.鉱物の弾性特性は化学組成に強く依存するにも関わらず,天然鉱物から得た値は少なく,しかも測定値の有効数字は2桁程度である.地震波速度構造の精密な解釈には鉱物の弾性特性の精度・確度を共に高める必要があろう.そこで本研究では,微小な天然鉱物でも精度良く鉱物の弾性特性を測定できる新たな手法の開発に挑んだ.
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