本研究では,超高層大気で発光するOH大気光をトレーサにして,下層大気から超高層大気に至る音波のイメージング観測を試みた.2016年に3度の特別実験を実施したが,音波の2次元構造の検出には至らなかった.この結果から,音波は超高層大気において背景光強度に対して3%以下程度の強度変動をもたらす,あるいは,極めて低い出現率である,という知見を得た.また,同時におこなった低廉な大気光カメラの開発からは,今後の大気光観測網の飛躍的な多地点化の展望が開け,低廉カメラによる音波のイメージング観測の可能性も示唆される結果となった.
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