研究実績の概要 |
宇宙天気研究や地球気候研究の為にも熱圏高度を網羅する大気観測の重要性が高まっているが,有効な観測手段が欠如している.本課題では,前人未踏の熱圏大気(200-1,000 km)観測を世界に先駆けて実現する為,ヘリウムの共鳴線を利用したライダー観測について基礎研究を行う.
熱圏高度をカバーする為にはレンジ範囲を拡張した受信機システムが必要であり,前年度より試作システムの開発に向けて詳細な検討を進めてきた.本年度は,レンジ範囲を拡張した受信機システムの本格的な試作に取組み,従来システムのレンジ範囲 0-250 km に対して,レンジ範囲 0-1,920 km の試作システムを完成させた.試作の段階ではあるが,熱圏高度をカバーする受信機システムを実際に開発することを通じ,熱圏大気ライダー計測の実現に向けて重要な課題のひとつを達成した.
|