中国黄土高原のレス・古土壌層の帯磁率は降水がもたらすレスの土壌化により増加するため、古降水量の指標となる。帯磁率の増加は土壌化生成のSP磁性粒子がもたらすことが分かっている。しかし、SP粒子が分離抽出されたことはなく、その生成メカニズムも不明なままである。本研究では、約50nmかそれ以下のサイズであるSP粒子が10~1 μm の砕屑物粒度帯に最も多く含まれていることを発見した。そして、SEM観察により、この粒度帯から磁気抽出した砕屑粒子が主に白雲母からなるケイ酸塩鉱物であることを見つけた。このことから、土壌化生成磁性ナノ粒子はケイ酸塩鉱物中に含有物の形で存在すると結論した。
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