本研究の目的は、堆積岩中の砕屑性ジルコンのU-Pb年代測定と化学分析を組織の観察が可能な薄片上でLA-ICP-MSを使用して行い、堆積環境を明らかにすることで、試料は3地域(沖縄県石垣島、長崎県野母半島、山口県錦町)の変成岩とそれらと衝上断層を介して下盤側に分布する岩石を対象にした。結果、3地域の試料には北中国地塊由来の古い年代(約30-15億年前)の砕屑性ジルコンが含まれるが、最も若い砕屑性ジルコンの年代の検討から、約2.5億年前の南・北中国地塊の南北性の衝突終了後の東アジア縁辺部は東西性の海洋地殻の大陸地殻(衝突後の南・北中国地塊)の下への沈み込みの場になったことが明らかになった。
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