研究課題/領域番号 |
26610166
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多田 隆治 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30143366)
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研究分担者 |
高橋 聡 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60615251)
中田 亮一 東京工業大学, 地球生命研究所, 研究員 (50726958)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | セリウム同位体 / 後期更新世 / 日本海 / 酸化還元環境 / 深海堆積物 / 明暗互層 |
研究実績の概要 |
2014年の3月9ー23日と9月15-27日の日程で、高知コアセンターに保管されている掘削試料日本海掘削コア(IODP Exp.346) から分析サンプルを切り出し,プラスチックケースに収めた。このサンプル採取作業と同時に、掘削コアの半活面を観察し、先行研究(Watanabe et al., 2007, paleo3)によって分類された明色暗色互層を識別し、優先的に分析用サンプルに切り分けた。サンプルは化学分析用に順次乾燥・粉末化の作業を進めている。 秋田県に分布する後期中新世の日本海深海堆積岩の地質調査を行い、連続層序 を復元した。採取した試料から放散虫微化石を抽出して年代を検討した結果、13万年前から8.5万年前の年代をカバーしていることが判明した。この層序に は日本海の還元環境の発達を示す暗色層の発達が繰り返しみられ、この岩相の出現タイミングについて論文を準備中である。 海洋研究開発機構の深海調査船海 洋かいれいを用いた日本海の深海堆積物の掘削計画について、2月21-23日と3月4-5日の2回において掘削調査の計画について打合せを行った。掘削 は、池原研博士(産業総合研究所)、佐川拓也博士(九州大学)、研究分担者の高橋聡(東京大学)らが乗船し、2015年6月28日-7月8日に実施され る。得られた試料は、堆積物中に保存されたセリウムの価数状態と同位体比の関係を解明する分析に用いる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りの堆積物試料を採取することに成功し、分析の前処理が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究年度1年目に採取したサンプルを中心に、微量元素組成分析,セリウムの同位体比分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内学会(地球惑星連合大会)に国外研究者を招くことができたので、アメリカで研究の打合せを行う必要がなくなった。 また、消防法により定められた量以上の溶媒や酸処理試薬を実験室内に保管できないため、実験試薬を使用する直前に小口で購入していく必要が生じたため、研究費を次年度に繰り越して使用する必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
堆積物の化学分析を行うための試薬・消耗品を購入していく。また、新たに計画に加わった6月-7月の日本海堆積物の掘削事業に関わる旅費と試料採取のための消耗品類に繰り越された研究費を使用する計画である。
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