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2014 年度 実施状況報告書

新・鉱物「形」学事始め

研究課題

研究課題/領域番号 26610170
研究機関東京大学

研究代表者

平賀 岳彦  東京大学, 地震研究所, 准教授 (10444077)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード鉱物 / 粒界 / 粒子形 / 界面エネルギー
研究実績の概要

申請者は、最近、オリビン多結晶体中の粒子の「形」が、温度や部分溶融メルトの有無によって変化し、その「形」が、多結晶体クリープ後のオリビン結晶の選択配向やそのパターンを決めていることを発見した(Miyazaki, Sueyoshi & Hiraga, Nature 2013)。粒子「形」を決める多くの粒界が、ある特定の結晶学的面に平行になり、その粒界を挟む粒子が互いにずれる(粒界すべり)結果、配向が生じると考えられる。岩石組織の基本因子である、鉱物の「形」と「向き」は、粒界における結晶面の種類およびその発現の頻度で決定され、それが地質環境に応じて変化することで、岩石組織の多様性が生まれている可能性が出てきた。鉱物「形」を複数の粒界に分解し、その粒界の易動度、構造およびエネルギーから「形」を理解する、新・鉱物「形」学を作るのが本研究目的である。
26年度は、オリビンの粒子形の二相分率依存性および変形中の保存が調べられた。まず、オリビン+ダイオプサイド系において、ダイオプサイド5%および20%のものを準備し、オリビン粒子形が1250℃を境に両者とも低温側で等粒状、高温側で異方粒になることを確認した。ダイオプサイド5%では、ほとんどがオリビン粒界からなり、オリビン形を決める特定の結晶学的面に平行な粒界の発達が、オリビン粒界およびオリビンーダイオプサイド異相界面に関係ないことが分かった。変形において、粒子スイッチングに伴いダイナミックにオリビン粒子形が変化することが分かった。しかし、焼きなましで見出された、温度による平均的な粒子形は保存され、特に異方粒は、その形がカイネティックスよりむしろ界面エネルギー最小化によって決定されていることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

原子間力顕微鏡を用いて、試料表面に焼きなましによって発達する二面角を測定し、界面エネルギーの測定を行おうとしているが、二面角を精度よく測ることに至らなかった。原子間力顕微鏡を容易に扱える環境になく、今後、その整備が必要になる。

今後の研究の推進方策

今後、原子間力顕微鏡を用いて、特定の結晶学的面に平行な粒界が他の粒界に比べて界面エネルギーがどの程度低いかを求め、その安定性を議論する。そのために、顕微鏡使用の環境を整える。また、二面角測定の手法改良を試み、高精度で二面角を測定する。

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公開日: 2016-05-27  

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