研究課題
キュリー点加熱装置を導入し、マイクロフッ化法による新しい迅速硫黄同位体計測法の開発を行った。これまでの4種硫黄同位体計測はあらゆる硫黄化合物を硫化銀にまず変換して行うものであったため、まず硫化銀のマイクロフッ化法について検討を行ったところ、パイロフォイル組成と加熱温度が分析精度および確度に寄与する事が明らかとなり、これを最適化することが出来た。その結果、コバルトフッ化物を用いた場合に、2秒でフッ化することが可能となり、これまでフッ化に半日を要した分析時間を大幅に短縮することが出来た。また同位体分析精度についても100 nmolSの微量試料についても従来と同様の精度で計測ができることが明らかとなった。現在、分析手法について論文を執筆中である。さらに、今後の硫酸分析を見越して、玄武岩ガラスから抽出した硫酸態硫黄についての計測をおこない、その4種硫黄同位体組成を報告した(Shimizu et al., 2015)
1: 当初の計画以上に進展している
微量試料の迅速硫黄同位体分析については想定よりも早く分析法の確立を行うことが出来、すでに計測法の論文を執筆中である。今後も予定通り、パイライト硫黄同位体計測、硫酸酸素同位体計測の開発についてチャレンジする計画である。
これまで硫化銀への変換作業が必要であったパイライトについて、直接フッ化による硫黄同位体計測法を最適化する。これにより、岩石試料内の同位体バリエーションについて議論が可能になると期待される。また硫酸酸素同位体計測の開発についてチャレンジする計画である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
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