研究課題/領域番号 |
26610186
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 和也 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 専任研究員 (70221356)
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研究分担者 |
木寺 正憲 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 仁科センター研究員 (60360533)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ECRイオン源 / 多元素同時同位体分析 / 二次元同位体イメージング |
研究実績の概要 |
理化学研究所において開発中の電子サイクロトロン共鳴イオン源質量分析装置(ECRIS-MS)を感度性能や汎用性を活かした同位体分析装置としてカスタマイズし、惑星物質の同位体分析を多元素に対しての同時分析を実現するのが、本研究の目的である。平成26年度においては、平成25年度までに行われた、検出系、イオン源、試料導入系の基本的なカスタマイズおよび、レーザーアブレーションシステムの導入という基盤技術に関する検証を行った。その結果、固体試料の同位体測定に対応することが可能ではあるが、検出系に原因不明のノイズが発生することが判明するとともに、スリットの駆動システムと質量スペクトルの精密同期の再調整や、レーザーアブレーションシステムの光学系において再調整が必要な事が判明した。そこで、さらに、以下の研究を実施した。 1.高速移動式のスリットと大型のファラデーカップを組み合わせた疑似複式検出器の駆動システムの改良(ガイドレールの材質の変更や位置センサーの改善など)を行った。また、変更した高速移動式のスリットの形状にあわせて検出器へのイオンの入射系の微調整を行った。 2.レーザーアブレーションシステムの光学系の再調整、並びに試料保持システムの改良を行った。 3.天然の鉱物試料中の鉛同位体比、モリブデン同位体比を試験的に分析し、質量差別効果が無視できるレベルである事を確認した。シホテアリン隕石を対象とした実用的な分析を開始した。 平成27年度初めより、試料駆動ステージの試作、また、レーザーアブレーションシステムと複式検出器を組み合わせた同位体分析の結果を二次元的に展開できるシステムの開発に取りかかり、現在も進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した実施項目はほぼすべて行い、平成27年度は標準試料を用いた実証実験的な同位体分析に予定どおり進むことが出来る。気体元素に関しても検出可能である事は実証しており、後は感度性能向上特に、複式化した検出器のノイズ除去達成と、スリット駆動システムと質量スペクトルの精密同期であるが、これに関する対応策は既に出来ており、今後の研究進展の期待は大きい。
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今後の研究の推進方策 |
レーザーアブレ-ションによる試料導入と複式化した検出器を組み合わせた同位体分析を行い、イオン光学系の最適化を行いつつ、実試料の局所同位体分析を試みる。気体元素の抽出も既に検証済みであり、これは当初の研究計画に沿ったもので有り、後は試料駆動ステージの製作を平成27年度に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
検出系の改造後に、駆動システムに起因するとみられるノイズがプリアンプ関連のデータ処理系に発生したこと、また、駆動システムを質量スペクトルに同期させるシステムに若干のタイムラグが生じる事が判明した。その解決のため平成26年度に予定したレーザーアブレーションシステムの試料駆動ステージの製作を平成27年度に行う事としたため、その分の予算を繰り越すこととした次第である。試料駆動ステージの設計そのものは終了しているので、すぐに発注、製作できる予定であり、研究計画自体の遅延はほとんど無い。
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次年度使用額の使用計画 |
試料駆動ステージの製作を行う予定である。設計は既に終了しているため、検出系の改良、駆動システムの質量スペクトルへの同期システムの改造が終了次第、試料駆動システムの製作を行うため、次年度使用額をこれに充てる予定である。
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