海洋や海底堆積物中に存在する金属は海洋生物によって利用され生化学プロセスを駆動している。陸域からの砕屑物の供給量が少ない西赤道太平洋で採取された堆積物試料について金属(鉄・亜鉛・銅・マンガン・モリブデン)濃度測定とSr放射性同位体比による年代を決定した。また、湿式分離によって抽出した脂質、タンパク質、色素などの画分について誘導結合プラズマ質量分析装置での金属濃度の測定を行った。また、有機物濃度が非常に高い海水の濃縮塩田に発達した微生物マットおよび、その関連堆積物について金属の化学形態分析ならびに高塩水の金属濃度測定を実施し、化学形態のその場分析を行い試料の堆積環境に関する知見を得た。
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