研究実績の概要 |
平成26年度には,Balmer-α線プロファイル高速計測システムの開発を行った. まず,二次元高速光検出器を開発した.研究室保有の64チャンネルを有する光電子増倍管(浜松ホトニクス,H7546A,波長方向チャンネル数:8,観測可能視線数:8),光電子増倍管用高圧電源(浜松ホトニクス,C9525),64 chアナログ・デジタル変換器(General Standards,PCIe-16AI64SSC)のほか,専用の64 chの電流電圧変換回路を作成することで,これまでより100倍以上高い200 kHzでの計測周波数(時間分解能5 μs)を達成した.今回開発した光検出器は,これまで研究代表者が用いてきたCMOSカメラと比較し,素子数が少なく,素子サイズが大きい.この光検出器の素子サイズにマッチするよう,研究室で保有している高スループット分光器を改良した. 具体的には,分光器の結像素子として用いてきた,焦点距離150 mmのカメラレンズ(OLYMPUS, Zuiko Lens ED 150mm f2.0)を取り外し,焦点距離1,000 mmの天体望遠鏡(Vixen, A105M)を取り付け,スペクトルをこれまでより8倍大きく結像するようにした.これにより,波長分解能0.2 nm,計測波長範囲1.6 nmを達成した. 本計測システムを実際に核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)に適用し,その発光の空間8点を分解して計測を行った.特に,アナログ・デジタル変換器にLHDで共通のクロック信号を入力することにより,他の計測器と同期した計測が可能となった.発光信号が計測されていることを確認した.
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