Niパウダーと軽水素の組み合わせによりCuなどへ核種変換する現象が報告されており,メゾ多孔性ニッケルへ水素イオン照射によって核種変換することの検証を行った.Niパウダー(< 50 nm)を付着させたNi多孔体を600℃一定に保ち,水素イオン(300 eV)を6-42時間照射した.SEM/EDXによって表面元素分析したところ,CとFeが多く検出された.ICP発光分光分析で金属内部元素を調べたところ,FeとCoが多く検出されたが,Cuは検出されなかった.スパッタリング等によってステンレスからFeが供給された可能性も考えられるため,核種変換が発生したという明確な証拠は得られなかった.
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