光熱変換を利用し,高い時間分解能と空間分解能を併せ持つ計測法の開拓を目指した.研究期間内に以下の3つの成果を得た.①金属上のグラフェン単層膜にアルカリ原子を層間挿入した系において,可視領域に巨大吸収帯が出現することを見出し,その起源をモアレ構造に起因するプラズモン励起によるものと結論した.②光熱変換過程を利用した2次元電子分光測定システムの構築を行い,熱検出による超高速現象のプローブが可能であることを示した.③テトラフェニルジベンゾペリフランテンを対象に,構造制御した有機薄膜における,集合構造と励起状態ダイナミクスの相関を明らかにした.
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