研究課題
挑戦的萌芽研究
分子内の電子は、空間に広がった量子的な波として記述するのが、約80年間の標準だった。しかし、その延長で時間変化を記述するための理論は未だ確立していない。本研究では、空間的に局在した電子波束を活用した新理論を提案し、その有効性を検証した。特に、強いレーザー光パルスを分子に照射することで電子運動が誘起され、そこから放射される高周波数の光スペクトルが、簡便に精度良く記述できることが示された。これは、化学結合の動的側面についての新しい描像を切り拓くものである。
理論化学