原子力発電所事故処理で発生する汚染水から、三重水素水THOをin-situ分離する手法を提案するために、重水D2Oに含まれる極微量(~10-15 mol/L)のTDOに対し、赤外光照射下の沸点挙動の研究を行った。これはNd:YAGレーザー基本波によりTDOの伸縮振動を選択励起することで、大過剰のD2OからTDOが蒸留分離されやすくなるのでは、という考えのもと、蒸留成分のトリチウムを定量する試みである。その結果、10 mLの蒸留成分に対し、蒸留前50±30 Bq 、98.1℃の蒸留成分は50±44 Bq、101.8℃は51±38 Bqとなった。すなわち、特別な変化はなかったと結論した。
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