研究成果の概要 |
サリドマイド(TD)の第一段階の加水分解産物3種類(CBG,PIG,PG)の有機溶媒中における擬脱水反応を詳細に解析した。恒温静置したCBG, PIG,PGのアセトニトリル溶液をHPLC分析することで、CBGのみ擬脱水反応が起こることを明らかにした。反応速度の解析から通常の一次反応ではなく、TDとCBGが共に触媒的に作用する反応であることが示唆された。CBGのエナンチオマーの擬脱水反応ではキラリティの変化は確認されず、不斉炭素における水素の脱着は起こらないと考えられる。TDからCBGへの加水分解反応におけるエネルギー障壁を量子化学計算により求め、約42kcal/molと見積もられた。
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