本研究では、Langmuir-Blodgett法を改良した湿式製膜法により、温和な条件で酸化チタン、酸化鉄および酸化マンガンのナノ薄膜を作製した。この手法では、単分子層を構成単位としてナノスケールの膜厚制御が可能であり、多様な金属酸化物のナノ薄膜を任意の順序で積層できる点に特徴がある。得られた膜は表面粗さ数nmの平滑性を持ち、伝導帯と価電子帯のエネルギー準位は概ねバルク体と同等であることを明らかにした。膜の表裏を酸化還元反応に供する自立ナノフィルムは得られなかったが、多段光触媒系を構築する一指針となると考えられる。
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