含窒素有機化合物は、有用な生理活性を示す重要な化合物が多く、その効率的合成法が求められている。そのような中、ナイトレン移動反応(酸化的アミノ化)は、入手が容易なアルケンやアルカンを直接窒素官能基化できる優れた手法として注目されている。しかし、既存のナイトレン移動反応は、環境負荷の高い酸化剤を持ち得るために合成効率に問題を抱えていた。 一方、本研究では、アジド化合物を用いることで、各種ナイトレン移動反応の環境適応性を飛躍的に向上させた。また、速度論的反応解析から同反応の一つC-H結合アミノ化は、対応するナイトレン種による水素原子引抜き、および続くラジカル再結合によって進行することを明らかにした。
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