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2014 年度 実施状況報告書

HOMO-LUMOギャップの制御による反芳香族性化合物の創製

研究課題

研究課題/領域番号 26620037
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

村中 厚哉  独立行政法人理化学研究所, 内山元素化学研究室, 専任研究員 (20374902)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード反芳香族性
研究実績の概要

ポルフィリン・フタロシアニンは18π芳香族性の電子構造を持つが、それらの類縁体であるヘミポルフィラジンは2電子多い20π電子構造を持つユニークな化合物である。4nπ電子系の平面環状化合物は通常反芳香族性を示し、常磁性環電流効果が観測されるが、ヘミポルフィラジンは平面構造をとるにも関わらず常磁性環電流効果が弱い。本研究では、HOMO-LUMOギャップを小さくすることで常磁性環電流効果の強い反芳香族性ヘミポルフィラジン化合物を合成し、その分子構造、安定性、光吸収・発光特性などを明らかにすることを目的としている。環電流効果とHOMO-LUMOギャップの相関関係を実験的に明らかにして、反芳香族性化合物を得るための新しい方法論を開拓することを目指す。
本年度は、チアゾールヘミポルフィラジンの異性体分離と新規誘導体の合成に関して研究を行った。これまでチアゾールヘミポルフィラジンはanti体とsyn体の異性体混合物として得られていた。既知のチアゾールヘミポルフィラジンを合成して、HPLCによる異性体分離を検討し、anti体とsyn体が分離できる条件を見いだした。既知のチアゾールヘミポルフィラジンよりもHOMO-LUMOギャップの小さい化合物を得るために密度汎関数計算を行い、イソインドリンユニットにスルホニル基を持つチアゾールヘミポルフィラジンを設計した。スルホニル基を有するジイミノイソインドリンを合成し、ジアミノチアゾールと反応させたところ、目的化合物の生成がマススペクトルによって確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HOMO-LUMOギャップの小さいチアゾールヘミポルフィラジンとして、ペンタフルオロフェニル基やトリフルオロメチル基を有する化合物の合成も試みたが、現在までに目的化合物の生成が確認されていないから。

今後の研究の推進方策

本年度で生成が確認されたスルホニル基を持つチアゾールヘミポルフィラジンの分離精製を行い、その分子構造、安定性、光吸収・発光特性などをHOMO-LUMOギャップが大きいチアゾールヘミポルフィラジンと比較することで明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも目的化合物の合成が困難であったため、目的化合物を分離精製するためのカラム用充填剤や物性測定のための測定機器使用料を予定よりも使用しなかったから。

次年度使用額の使用計画

合成できたチアゾールヘミポルフィラジンの分離精製ためのカラム用充填剤や物性測定のための測定機器使用料として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Electronic Structure Analysis of Cyclic π-electron Molecules: Porphyrinoids and Cycloparaphenylenes2014

    • 著者名/発表者名
      A. Muranaka
    • 学会等名
      The 2nd RIKEN-SJTU Workshop on Energy, Environment and Photonics
    • 発表場所
      和光
    • 年月日
      2014-11-17 – 2014-11-18
    • 招待講演
  • [学会発表] Electronic Structure of Azolehemiporphyrazine2014

    • 著者名/発表者名
      A. Muranaka, S. Ohira, N. Toriumi, M. Hirayama, F. Kyotani, Y. Mori, D. Hashizume, M. Uchiyama
    • 学会等名
      Michinoku International Symposium on Porphyrins, Phthalocyanines and Functional π Molecules
    • 発表場所
      蔵王
    • 年月日
      2014-10-13 – 2014-10-16

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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