ラジカル開始剤AIBNおよびその誘導体は、光照射や加熱によりラジカル種を容易に生成する。そのため、様々なポリマーや有機化合物の合成に利用されている。しかしながら、それらは光と熱に対して反応性が高く、冷暗所で保存する必要がある。本研究では、アントラセン骨格(多環芳香族骨格)を有する金属架橋カプセルが、ラジカル開始剤を定量的に内包できることを明らかにした。また、内包により、光照射や加熱に対して顕著に安定化されることを明らかにした。さらに、カプセル内で安定化された開始剤を、通常のポリマー合成に使うことにも成功した。
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