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2015 年度 実績報告書

液体で配位高分子をつくる:光と熱による機能・形状の自在設計

研究課題

研究課題/領域番号 26620046
研究機関神戸大学

研究代表者

持田 智行  神戸大学, 理学研究科, 教授 (30280580)

研究分担者 桑原 大介  電気通信大学, 研究設備センター, 准教授 (50270468)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードイオン液体 / メタロセン / 触媒
研究実績の概要

本研究では、光・熱によって、イオン液体と配位高分子の間で可逆な相互転換を起こす物質を実現した。アレーン環を配位子とするサンドイッチ型ルテニウム錯体は、アセトニトリル溶液中で光照射すると、配位子が解離し、アセトニトリルが配位した錯体を生成することが知られている。この機構をヒントとして、シアノアルキル基を複数導入したアレーン環を持つサンドイッチ型ルテニウム錯体を設計し、この錯体にフッ素系アニオンを組み合わせたイオン液体を合成した。このイオン液体を石英板にはさんで紫外光を照射すると、徐々にフィルム状の黄色固体に転換した。ここでは、紫外光によってアレーン配位子が解離した後、配位子のシアノアルキル基部分がルテニウム間を架橋することによって、アモルファス配位高分子が生じている。さらに、この固体を加熱すると、アレーン配位子が再びルテニウムに配位し、完全に元のイオン液体に戻った。このように、光と熱による可逆な固液転換が実現した。さらに、これらのイオン液体と配位高分子は、同じ出発原料から、反応条件に応じて作り分けできることを見出し、前者が熱力学的、後者が速度論的な生成物であることを明らかにした。こうして光・熱による新たな固液転換の原理を立証した。この反応は、分子間・分子内の結合様式の劇的な転換を伴っている。本成果は、分子性液体と配位高分子という、全く異なる結合様式を持つ物質の間の転換を実現した点で重要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Reversible Transformation between Ionic Liquids and Coordination Polymers by Application of Light and Heat2016

    • 著者名/発表者名
      Y. Funasako, S. Mori, T. Mochida
    • 雑誌名

      Chem. Commun.

      巻: 52 ページ: 6277-6279

    • DOI

      10.1039/c6cc02807a

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Organometallic ionic liquids from sandwich complexes: Liquid properties and chemical reactivities2015

    • 著者名/発表者名
      T. Mochida, Y. Funasako, S. Hamada
    • 学会等名
      The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies 2015
    • 発表場所
      Honolulu (USA)
    • 年月日
      2015-12-15 – 2015-12-20
    • 国際学会
  • [学会発表] 光照射によって配位高分子を生成するイオン液体の開発2015

    • 著者名/発表者名
      上田嵩大, 持田智行
    • 学会等名
      第6回イオン液体討論会
    • 発表場所
      同志社大学(京都府・京都市)
    • 年月日
      2015-10-26 – 2015-10-27

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公開日: 2017-01-06  

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