2次元構造を持つ金属集積体は特異な機能を示すため、それらの合成と機能材料としての応用が世界的に活発に研究されている。近年、金属カルコゲニドに代表される無機ナノシートの開発と応用研究が活発に行われているが、これらはサイズ分布を持つ混合物として取り扱われ、精密に構造・金属配列が制御された金属ナノシート分子の合成法は未開拓であった。申請者はそれらの合成を可能にする独自の手法として、環状有機ケイ素化合物を鋳型分子として活用した金属集積法を開発し、これにより計11原子のパラジウムが平面状に配列された世界最大の金属ナノシートの合成を達成した。またそれらの電子的性質を各種分光学的測定により明らかにした。
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