本研究では、スピンクロスオーバー錯体[MnIII(taa)] (H3(taa) = tris(1-(2-azoryl)-2-azabuten-4-yl)amine))の高スピン状態においてJahn-Teller効果による電気分極が発生することに注目し、その光励起を行うことで強誘電の発現を観測することを目指した。この目的のため光照射下で測定可能な誘電率・電気分極測定装置とマイクロ波ESR装置を立ち上げた。光誘起強誘電は観測されなかったものの、磁場誘起スピンクロスオーバーによる100%を超える大きな磁気キャパシタンス効果が観測されるなど興味深い成果が得られた。
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