研究課題
本研究の目的は、多糖であるグルカンの中でもカードラン、シゾフィラン、アクアβを基盤とする革新的な超分子センシングの構築である。これらグルカンの中でも、既に研究代表者が高いポテンシャルを見出しているカードランに着目し、これにリポーターであるジメチルアミノベンゾエートを修飾したDABz-Curをホストとするモノテルペン類のキラル認識を行った。この結果、緩い超構造がゲストにフィットしたため、非常に高いエナンチオ選択性を示した。また面白いことに、緩い螺旋と思われていたが、AFM測定からその超構造を明らかにできた。
2: おおむね順調に進展している
上述したグルカンをホストとするモノテルペン類のキラルセンシングを平成26年度の目標と定めており、計画通りに達成でき現在論文に投稿準備中である。また、これらの成果が認められPolymer JournalのFocus Reviewに投稿する運びとなった。この中で、新たに超分子アロステリックシグナル増幅センシングについて言及し、そのイニシアティブをとっている。従って、概ね順調に進展していると言える。
平成26年度の成果を踏まえ、次年度はより困難とされている水中でのオリゴ糖センシングに発展させる。これまで、グルカンのなかでも高い性能をしめしたカードランをホストにするオリゴ糖センシングの超高感度化を目指し、蛍光センシングを予定している。この目的のために、AIEを示すテトラフェニルエチレンやACQを示すローダミンをリポーターとしてカードランに修飾し、オリゴ糖を取り込んだ時の構造変化による蛍光消光および増幅により、選択的センシングを目指す。
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