研究分担者 |
赤井 智子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00356338)
城谷 大 函館工業高等専門学校, 一般科目理数系, 助教 (20720808) [辞退]
中田 博保 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60116069) [辞退]
佐藤 久子 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (20500359)
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研究実績の概要 |
繊維状粘土セピオライト(SEP)のMgイオンをランタニドイオン(Ln3+)とイオン交換して、光増感配位子を配位させることで得られる研究目的の可視光励起視認性発光については、SEPと1,10-phenanthroline (phen)、1,4-benzoylbenzene(dbb)とβ-ジケトナト配位子(fod)を含むphen-dbb-fod@SEP:Eu(fod=1,1,1,2,2,3,3-heptafluoro-7,7-dimethyl-4,6-octa-dionate)が実用化レベルの375nm励起で蛍光灯下視認性発光を示すことに成功した。これらの発光特性と配位構造状態の評価法を発光強度比を比較することで確立した。近紫外部(450nm)と615nmのEu由来の発光強度比I(615)/I(450)の値が大きければ、視認性が増すことがわかった。4f-4f遷移の590nm(5Do→7F1)と615nm(5Do→7F2)の発光強度比I(615)/I(591)で、Eu回りの構造の違いはphenと種々のベンゾフェノン系配位子の蛍光体ではほぼ同じで配位状態は同じであるが、これにfodを加えるとこの比が大きくなり、Eu回りが非対称性で発光性を増すると考えられる。dbb@SEP:Euの温度変化蛍光測定では発光強度が120℃になると増し赤色発光する。dbb@SEP:Euの時間蛍光測定では、Eu錯体特有の4f-4f遷移の発光強度は20分後には初期値より約20%増加した。温度変化蛍光と時間変化蛍光測定の結果を考え合わせると、SEP内トラップ電子が関わる熱ルミネッセンスと関連していると考えられる。また、時間変化蛍光からphenを含む錯体は光安定性が悪いが、dbb-hfac@SEP:Eu(hfac=hexafluoroacetylacetone)は光安定性が良好であることがわかった。
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