研究課題
電気化学反応系において反応クーロン効率を従来の100%レベルを大幅に超える10000%レベルへと引き上げる新しい学理と分子材料系の構築に向けた研究を行った。具体的には電気化学および化学的酸化反応よって異性化反応が進行する分子をモデルとしてその反応解明を進めるとともに、分子修飾によってその反応性を高める研究に取り組んだ。酸化反応に伴う異性化反応の反応速度を検討したところ、基質濃度に依存しない完全なゼロ次反応性を示した。さらに溶媒効果を検討したところ、ジクロロメタン中における化学酸化反応において2000%を超える高反応活性が得られた。これは酸化反応によって形成された陽イオンラジカルが連鎖的に反応を引き起こし20分子以上の異性化を引き起こすことに対応する。溶媒効果に関してはその起源解明の必要性が明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
最終目的の10000%レベルに対してすでに2000%を達成しており、さらに分子修飾などにより目標達成が十分に可能なレベルに到達した。
引きつづき分子合成を通じて高反応活性分子の開発を進めると共に、反応条件の最適化、特に溶媒選択の重要性が示されたことからその最適化と学理の解明を進める。量子化学計算や各磁気共鳴および電子スピン共鳴などの各種分光計測や解析を行う。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Chemistry, A Europian Journal,
巻: 20 ページ: 13722-13729
10.1002/chem.201403791