本研究では、分子キラリティがどのように組織化されて超分子キラリティの発現に至るかを明らかにすることを目的とした。パーフルオロ基を有するキラル低分子量ゲル化剤のフィブリール形成をとりあげ、振動円二色性分光法(VCD)を適用した。パーフルオロ基のらせんに着目し、メゾスコピックのキラル構造形成に果たす役割を、階層的観点から明らかにした。ゲル化速度と熱力学的安定性に対するキラリティ効果を検討し、ゲル化に伴ってVCDシグナルが増大することを見出した。さらに、2次元界面において、フィブリールの前駆体と思われる会合体を観察し、ゲル形成機構を2次元膜形成に関連付けるという萌芽的研究を行った。
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