高感度原子空孔プローブである陽電子の試料への均一照射かつ極短パルス化法と位置敏感型γ線検出器の開発により,原子空孔の三次元分布を計測する陽電子消滅トモグラフィーを実現する。数MeVの極短パルス制動放射X線照射による試料内対生成反応によって生成した陽電子の利用を着想した。陽電子が消滅時に発する511 keVγ線の検出器として,mmオーダーの位置分解能と0.5 ns以下の時間分解能をもつ分割型Lu2SiO5:Ceシンチレーション検出器を開発する。高温・高圧など極限条件下での非破壊その場分析が可能となり,新規分析情報である原子空孔三次元分布は,原子レベルでの物性解明を飛躍的に進歩させる。
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