粗表面での表面選択律の構築が難しかった理由は,試料である微粒子集合系が再現不能な複雑な表面構造を持ち,電磁気学的な境界条件の積み重ね(ボトムアップ法)による解析を寄せ付けなかったことが主たる原因である. 本研究では,粉末のような複雑な表面構造を持つ試料表面での光拡散であっても,本質的には捕集した光を正反射と拡散の2成分に分離するため,DRフィルターを初めて導入した。 これにより,拡散反射光に含まれる正反射(SR)成分を実験的にカットでき,拡散反射(DR)成分だけを測定して,議論を大幅に整理することに成功し,明快な選択則を提供できた。
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