標的細胞で高発現する受容体に対するリガンドが斑に存在するパッチーナノ粒子を開発し,その表面状態(パッチー性,分子込み合い)に応じた細胞選択性の獲得を目指した。まず,表面に上皮成長因子(EGF)と光分解性基を介してPEGを固定した金ナノ粒子を開発した。その結果,光照射依存的に分子込み合いが変化し,受容体との相互作用が増大していく様子が観察された。この際の受容体の細胞膜内分布を調べたところ,通常のsoluble EGFの場合と異なり,EGF受容体がラフトから脱出できなくなることが分かった。以上より,パッチーナノ粒子と細胞との相互作用に関する重要な基礎データを取得することができた。
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