フェリチンチャネルの3回対称性を活かし、天然に存在する強力な鉄3価キレート分子(エンテロバクチン)模倣の鉄-トリスカテコール錯体をチャネル入り口に構築することに成功した。結晶構造から、この錯体がチャネルキャップとして機能することが期待されたが、当初の目的である抗血栓生分子のフェリチンへの封入には至らなかった。一方、申請者らが最近開発した光感受性一酸化炭素放出鉄錯体([Fe-CO])は、内部空間に取り込み可能なことがわかった。近年、生体適合性に優れたCO放出分子の開発が求められている。今後は本研究で得られたフェリチン内包型[Fe-CO]をもとに、生体で光によるCO放出が可能な分子の開発を目指す。
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