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2014 年度 実施状況報告書

ペプチド金属錯体アレイをベースとしたβシート阻害剤の設計

研究課題

研究課題/領域番号 26620139
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

田代 健太郎  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (40332598)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードアミロイド阻害剤 / ペプチド金属錯体
研究実績の概要

我々が既に開発した固相合成手法により適宜水溶性置換基(グルタミン酸、トリエチレングリコール)を配したRu-Pt-Rhアレイを合成し、十分な水溶性を有することを確認した。一方、カチオン性金属錯体であるRuやPt錯体のカウンターアニオンの種類により、この分子は自己会合することが透析実験やTEM観察、DLSの結果明らかになった。例えば塩素イオンやリン酸イオンの共存下では、直径100nm程度の会合体の形成が認められたのに対し、トリフルオロ酢酸アニオンの共存下では会合は進行しなかった。
次に作成したRu-Pt-Rhアレイのアミロイド繊維形成阻害能について、アルツハイマー症との関連が疑われている代表的なアミロイド化ペプチドであるアミロイドβペプチドを用いて検討した。その結果、アレイの共存によりペプチドのアミロイド繊維形成が効果的に阻害されることが蛍光分子を用いた評価やDLSの結果分かった。さらに、あらかじめ形成したアミロイド繊維の分解も同様の条件下アレイの共存により可能であることを確認した。CDスペクトル測定において、アミロイド繊維中のアミロイドβペプチドは典型的なβシート構造のパターンを示すのの対し、アレイを添加し繊維の形成阻害・分解がなされた試料においてはランダムコイルのパターンを示すことから、アレイがβシート阻害剤として機能した結果、アミロイド繊維の形成阻害・分解が起きていることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アミロイドβペプチドに対するアミロイド阻害/βシート阻害能を持つ水溶性ペプチド金属錯体アレイの創出という当初の目標を達成した。

今後の研究の推進方策

他のアミロイド形成性ペプチド・タンパクに対する阻害・分解効果の検討と、水溶性ペプチド金属錯体アレイの細胞毒性・細胞への導入挙動の評価を行い、in vivo実験への展開の可能性を探る。また、アレイの分子構造とベシクル形成/アミロイド阻害能の関係を調べ、機能発現に必須である構造情報の抽出を図る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] アミロイド線維の形成を抑制する抑制剤、アミロイド線維を分解する分解 剤、神経変性疾患の予防、治療および/または進展抑制のための医薬、ならびに、抑制剤 および分解剤の製造方法2015

    • 発明者名
      田代 健太郎、スクル クマル プラディップ
    • 権利者名
      物質・材料研究機構
    • 産業財産権種類
      特許特願2015-023490
    • 産業財産権番号
      特願2015-023490
    • 出願年月日
      2015-02-09

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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