マイクロ波によるムチン分子近傍の束縛された水分子の活性化を介した新たなムチン分解法の開発を目的として研究を進めた。モデル化合物として、MUC2ムチンのタンデムリピート内に8箇所のGalNAc付加部位を有する16残基糖ペプチドの合成に成功した。また、分解実験はムチンと同様に束縛された水分子を有するヒアルロン酸をモデルとして行った。ヒアルロン酸の分解をモニターする方法として粘度測定の他、ポリエチレンイミンを用いた分子マトリックス電気泳動法を開発した。ヒアルロン酸分解の周波数依存性としては、1~2GHzを境に低周波数側では導電加熱が、また高周波数側では誘電加熱が生じることが明確に区別された。
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