本研究では木質系バイオマスの化学原料化を目指して、水と二酸化炭素のみで木質系バイオマスの糖化反応を行い、種々の化学原料となるグルコース、キシロースを効率的に生成することを目的とする。木質系バイオマスの加水分解に関して、パーコレーター型反応装置を用いて二酸化炭素の添加効果について検討した結果、二酸化炭素共存下では反応残渣の減少および液状生成物の増加が観測された。得られた液状生成物の硫酸による加水分解の結果、二酸化炭素存在下では水のみに比べ、グルコース、キシロース収率の増加が認められた。以上のことから、超臨界二酸化炭素は木質系バイオマスの加水分解能を有することが実証された。
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