研究課題
本研究課題では、次世代表示素子として期待されている有機LEDへの展開を指向した高効率有機発光材料の創製と、それに円偏光発光特性を付与した新規材料・デバイスの創製に向けた研究開発を推進した。具体的な材料設計指針として、①拡張した電子共役系に基づく大きな遷移双極子モーメント(振動子強度)の付与、②分子不斉空間による励起子キラリティの誘起、③一重項および三重項励起子を効率的に発光に寄与させるスキーム(高い励起子生成効率)の構築の観点から材料開発を行った。その結果、軸不斉を分子骨格に導入した新規円偏光発光材料の開発に成功した。電子供与性置換基を種々変化させることにより、発光色をチューニング可能であることを明らかにした。また発光量子収率も置換基に依存して変化することが分かった。次に、キラル固定相を用いたクロマトグラフィーにより、光学異性体(エナンチオマー)の分割を行った。これらの光学異性体は円偏光二色性スペクトルによりコットン効果に起因する対照的なスペクトルを示した。更に、これらの材料が高い発光特性を有し、円偏光発光特性を有する材料であることを明らかにした。今後、これらの材料を用いた円偏光発光デバイスの最適化による高効率化の検討が課題である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件)
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