異方性機能材料への変換を念頭に,セルロースやキチン等のバイオナノクリスタル(NC)とナノファイバー(NF)の簡便な配向制御技術の確立が望まれている。本課題では,「バイオNC・NFを高度に分散させ,軟化温度を制御できる二成分系のポリマーマトリックス(PM)」を用い,NC・NFとの複合体を熱加工して配向性を付与できた。特に,キチン系NF複合体については,NF濃度,PMの組成,ならびにキチン系NFの表面官能基が及ぼす熱加工性と配向制御能への影響を詳細に調査し,複合体シートの熱延伸により高度にNFを配向させられることを見出した。今後は,キチン系NFの生体親和性を活用した応用展開を図っていく。
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