石炭ピッチ繊維を管状電気炉により空気中で加熱して不融化ピッチを調製した。この際、加熱温度が高い方が酸素含有量が多く、カルボニル基が主に含まれることがわかった。さらにこの不融化ピッチをRMgBrで処理してアルキル化ピッチを調製したところ、水酸基の存在が観察された。アルキル化により不融化ピッチに比べて溶解度の向上が見られ、吸収・蛍光スペクトルでは長波長シフトが観測された。また、より高温で焼成したアルキル化ピッチの方が分子量が増加していた。さらにアルキル化ピッチにマイクロ波を照射することで、脱水反応が進行した。脱水後のピッチサンプルにおける10%重量減少温度は不融化行程での加熱過程に依存していた。
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