研究実績の概要 |
本研究では、メソ多孔体の規制空間を反応場として急速・均一加熱が可能なマイクロ波加熱を利用して、メソ細孔内に形状・サイズ・色彩が精密制御された金属ナノ粒子を調製することを試みた。形状・サイズ・色彩を制御した金属ナノ粒子(Ag, Au, Pd-Ag, Pd-Au)の“局在表面プラズモン共鳴(LSPR)”を利用して、金属触媒性能を飛躍的に向上させた「プラズモニック金属触媒」の創成を目指した。平成27年度では、プラズモン効果を示すAgやAuのナノ粒子に触媒活性種のPdを組み合わせたナノ合金について、組成・形状・サイズ制御により様々な色彩を有するナノ合金粒子触媒の調製を目指して、以下の研究を実施した。 マイクロ波を用いた誘導加熱では、急速・均一加熱によって、均一粒径を有する金属ナノ粒子の合成が可能である。本研究ではメソポーラスシリカを含むアルコール溶媒中でマイクロ波加熱を施すことにより、メソポーラスシリカの規定細孔空間を反応場にすることで、形・サイズが精密制御されたAgやAuのプラズモン効果を発揮する金属ナノ粒子を調製した。マイクロ波の照射時間や雰囲気、アルコールの種類などを調節することでサイズ制御が可能である。さらに金属ナノ粒子(Ag, Au)に触媒活性種のPdを固定化することでプラズモニック合金触媒を開発した。 形状とサイズの制御によりLSPR効果が変化することで、様々な色彩を有する金属ナノ粒子(Ag、Au)が調製できた。さらに、触媒性能の高いPdの固定化条件を選択することで、Pdの構造・サイズを制御した合金を調製した。精密なサイズ制御によりプラズモニック触媒(Ag、Au)とPd活性種の複合化に成功し、可視光を利用できる高性能触媒系を調製することができた。
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