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2015 年度 実績報告書

ナノ空間を利用した高容量可逆コンバージョン反応系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 26620196
研究機関長崎大学

研究代表者

森口 勇  長崎大学, 工学研究科, 教授 (40210158)

研究分担者 瓜田 幸幾  長崎大学, 工学研究科, 助教 (40567666)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード多孔カーボン / ナノ界面 / ナノ結晶 / コンバージョン反応 / 酸化スズ / フッ化鉄
研究実績の概要

本研究では,カーボンナノ空間の規制された反応場を利用して,コンバージョン反応により生成するLi化合物相と金属相の空間的分離をナノレベルで抑制して大きな反応ナノ界面を形成させるという新しいアプローチにより,既往研究では困難であったコンバージョン反応の可逆性の飛躍的な向上に挑戦するものである。本目的に向けて,カーボン系ナノ多孔体細孔空間に活物質を析出させたナノ複合構造体を創製し,充放電特性の評価やナノ構造制御の効果の解明を行った。
前年度に,メゾ・マクロ細孔が規則的に配列した多孔カーボンのナノ細孔内のみに優先的にSnO2ナノ結晶を析出させる方法を開発し,SnO2-Snのコンバージョン反応や引き続いて起こるSn-Liの合金・脱合金化反応の可逆性が大幅に向上することを明らかにしている。今年度は,カーボンナノ多孔体の細孔径やSnO2の充填率,SnO2ナノ結晶のサイズを系統的に変化させたナノ複合体の合成に成功し,各構造パラメータとコンバージョン反応や合金・脱合金反応に伴う充放電容量やサイクル特性との相関性を調べた。その結果,コンバージョン反応や合金・脱合金化反応に伴う体積変化に必要な空間を確保することが高容量発現やサイクル安定性に必要であることがわかった。材料構造の最適化により,コンバージョン反応では70%以上,合金・脱合金化反応では100%の反応可逆性を達成した。
さらに,交流インピーダンス測定により,ナノ複合材料内の各反応抵抗を調べ,上記の構造制御により反応抵抗が大幅に低下していることも明らかにした。
一方,コンバージョン反応による充放電が期待されるFeF3についても,多孔カーボンとのナノ複合体を合成することに成功し,充放電特性が向上することを突き止めた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 蓄電デバイスの高性能化に向けた電極材料ナノ構造制御2016

    • 著者名/発表者名
      森口 勇
    • 学会等名
      第54回セラミックス基礎科学討論会
    • 発表場所
      アバンテ(佐賀県・佐賀市)
    • 年月日
      2016-01-08
    • 招待講演
  • [学会発表] カーボンナノ空間におけるSnO2充放電反応挙動の解明2015

    • 著者名/発表者名
      小路慎二,瓜田幸幾,森口 勇
    • 学会等名
      第56回電池討論会
    • 発表場所
      愛知県産業労働センター(愛知県・名古屋市)
    • 年月日
      2015-11-12
  • [学会発表] NANOSCALE STRUCTURE CONTROL OF ELECTRODE MATERIALS FOR ENERGY STORAGE DEVICES2015

    • 著者名/発表者名
      Isamu Moriguchi
    • 学会等名
      Chikushi Forum of Environmental and Energy Science
    • 発表場所
      九州大学(福岡県・春日市)
    • 年月日
      2015-10-09
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ナノ物質空間制御と電気化学機2015

    • 著者名/発表者名
      森口 勇
    • 学会等名
      触媒学会西日本支部第53回触媒研究懇談会
    • 発表場所
      ANAグランドホテル長崎グラバーヒル(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2015-07-25
    • 招待講演
  • [学会発表] ナノ物質空間制御による充放電機能の向上2015

    • 著者名/発表者名
      森口 勇
    • 学会等名
      第52回化学関連支部合同九州大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県・北九州市)
    • 年月日
      2015-06-27
    • 招待講演
  • [備考] 長崎大学学術研究リポジトリ

    • URL

      http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp

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公開日: 2017-01-06  

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