金属に低圧縮負荷を振動的に与え,転位の非可逆成分を累積させることにより,表層をnmオーダーに微細化する技術を開発する.大気,N2,Ar,真空中で実験を行い,結晶粒微細化に及ぼす雰囲気,負荷荷重,繰返し数の影響を調べた.炭素鋼およびアルミ合金を用いた実験の結果,両者ともに粒径1マイクロメートル以下の微細層が形成された.微細化層の粒径や深さは.負荷の大きさや振動回数によって制御できることがわかった.微細化の程度は大気やN2中では顕著であるが,Ar中では小さかった.真空中では微細化がほとんど生じなかった.以上から,本手法によるナノ微細化には雰囲気と転位の相互作用が不可欠であることが明らかとなった.
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