本研究は超高強度カーボンオニオンを金属ワイヤー(Ni)に合成することで、Si、SiCなどのインゴットをウェーハとして切り出す際に不可欠な金属ワイヤーの性能を画期的に向上させることを目的にする。プラズマ利用イオン注入法によりNiワイヤーの表面にカーボンイオンを注入し、走査型電子顕微鏡を用いてNiワイヤーの表面を観察した結果、表面には直径50nmほどのカーボンナノ粒子が合成されたことが確認できた。また、ラマン分光分析から、Niワイヤーの表面に存在するナノ粒子は、カーボンオニオン粒子の構造を示しており、ダイヤモンドライクカーボン膜に比べるとグラファイト結晶化の進んだ構造を形成していることがわかった。
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